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不登校経験を経て社会人となったやつらの発信活動

自己表現のきっかけ

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小学校から中学校までの間、学校へ行かなかった僕は人見知りの激しい人間だった。
ずっと部屋に引きこもっていたのだから言葉を発することすらままならない程だった。
 
けれど今は違って、本当は人見知りだけど、ある程度人との会話もできるようになった。社会に出ても難はあるが、コミュニケーションは交わせるまでに成長できた。
 
その成長のきっかけは高校に進学してから間もない頃だった。
高校の入学式だったかな、、、親友enokiが僕の心の鍵を開ける一言をくれたんだ。
 
「ねぇ、演劇やらない?」
 
『ええぇぇぇぇぇぇ演劇ぃぃぃぃ』
 
でっ出来ないよ、そんなの僕は人前で話すことすら怖かった。
心の中で思いながらも彼の勢いに流されながら演劇同好会を立ち上げることになった。
 
渡される台本、、どこから持ってきたのか
まず初めに彼が渡してくれた台本はかの有名な「奇跡の人」(ヘレン・ケラー)の台本だった。
 
まずは、1ページ目
ぎこちなく渡された台本を読んでみる。
 
「声が小さい!!!」
 
注意されて少し大きめに声を出して読んでみる
最初は読み合わせに抵抗があった、でも読むことはできる。
引きこもり時代はずっと小説を読み続けていたから活字には幸い慣れていた
「奇跡の人」のストーリーもなんとなくだが昔に読んだことがあり、展開も知っていた。
 
そして、台本は続いていく
2ページ目、3ページ目、僕にとって当時は活字の文を音読をするという違和感のある中で小説の中に登場する人物に僕は自然と感情移入していった。
 
3ページ目、4ページ目、僕の声は自然と大きくなっていった
登場人物であるヘレン・ケラーの家庭教師であるアニー・サリバンのセリフに心がスーッと飲み込まれていくように言葉に感情が載っていった。
 
この時感じた、不思議な感情は今でも忘れられない!
台本のセリフだけど久しぶりに自分の声と感情が一致したのだから。
 
5ページ目、6ページ目
クライマックスのシーンへと突入していく、有名なシーン
三重苦に苦しむヘレンが井戸の水に手を差し伸ばし「ウォータぁぁぁぁぁ」と初めて言葉を発するシーンだ。手に触れたものと言葉と感情が一致するこのシーンで
 
僕はそのヘレンの感情に載せて
自分の感情を沿って乗せるように自然と「ウォータぁぁぁぁ!!!!」と叫んだ
 
演劇の台詞は言葉
登場人物の背景に寄り添って、そして言葉に乗せて感情を発する。
 
僕は初めて表現することに面白さを感じた
 
 
その後は文化祭や外部公演などを出来るまでに成長していったがそこは割愛
 
 
ここで伝えたいのは自分の感情を正直に言葉に乗せて相手に伝えるきっかけをくれたのが演劇だったことなんだ。今まで仮病で休んでいた。嘘で固めていた自分が、本音で話す気持ち良さ、ある種の快感に初めて気がついたことなんだ。
 
それが音楽でもいいし、演劇でもいい
小説の文章に共感している自分だって、大切な自分の主観であり感情だ。
 
音に乗せて、セリフに乗せて声に出す事で初めて伝わることもある。
もちろん、このブログのように言葉に認めてもいい。
 
表現の楽しさを僕は覚え、人との会話も弾むようになっていった。
 
僕に運が巡ってきた
enokiが演劇に誘ってくれたあの瞬間、僕の心が初めて言葉に乗せて弾み始めたんだ。
 
髙橋直之